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『色は塗れたのに、影を入れると急にのっぺりする…』という方は多いですよね。
結論から言うと、デジタルイラストの影は「光がどこから来るか」を先に1つ決めるだけで、ぐっと付けやすくなります。
この記事を読めば、影を置く順番と、レイヤーや色の選び方が分かり、自分の絵にそのまま試せます。
デジタルイラストの影は、まず光の向きを決める
影を塗る前に、キャンバスの外に「光はここから」と小さく印を描いておきましょう。光源を1つに決めると、影の場所に迷わなくなります。
影が上手くいかない原因で多いのは、塗る場所をその場その場で決めてしまうことです。
顔は左から光が当たっているのに、服は右から当たっているような影になると、絵全体がちぐはぐに見えます。
実は、上手な人ほど影を「描いて」いるのではなく、光の向きから「割り出して」いるんです。
デジタルイラストならレイヤーを分けて影だけを何度でも塗り直せるので、光源を変えて試すのも気軽です。レイヤーなどの基本はデジタルイラストとは?で紹介しています。
光源の置き方で絵の雰囲気が変わる
光の向きは、絵で見せたい雰囲気から選ぶと決めやすいです。
例えば「雨上がりの公園で空を見上げる女の子」なら、斜め上からのやわらかい光が合います。
| 光源の位置 | 影の出方 | 向いている雰囲気 |
|---|---|---|
| 斜め上(左右どちらか) | 顔の片側と首の下に影ができる | 自然で見やすい。最初はここから |
| 真上 | 前髪の下やあごの下に濃い影が出る | 昼間の屋外・強い日差し |
| 真横 | 体の半分がはっきり暗くなる | 印象的・少しドラマチック |
| 後ろ(逆光) | 体のほとんどが影になり、輪郭が明るく光る | 夕方・切ない場面 |
| 下から | 普段と逆の位置に影が出る | 不思議な雰囲気・夜の明かり |
迷ったら、まずは「左斜め上」に固定して何枚か描いてみてください。
同じ光源で練習を重ねると、どこに影ができるかが体で分かってきます。
立体を単純な形で考える
光の向きが決まったら、描いた形を球・円柱・箱のような単純な立体に置き換えてみます。
頭は球、首や腕は円柱、胴体は少しつぶれた箱、と考えると影の場所が見えやすくなります。
- 光源の向きをキャンバスの外に描いたか
- 顔・腕・胴体を単純な立体に置き換えてみたか
- 光が当たる面と当たらない面の境目を想像できたか
- 前髪や帽子のつばなど、光をさえぎる物がどこにあるか分かったか
影は3種類。形の影・落ち影・反射光を置く順番
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
デジタルイラストの影は、ひとまとめに「影」と考えるより、3種類に分けて順番に置くほうがきれいに仕上がります。
| 影の種類 | どんな影か | 例 | 置く順番 |
|---|---|---|---|
| 形の影 | 光が当たらない側の面にできる影 | 顔の片側、腕の裏側、服のしわのくぼみ | 1番目 |
| 落ち影 | 物が光をさえぎって、別の場所に落ちる影 | 前髪がおでこに落とす影、あごの下の首の影 | 2番目 |
| 反射光 | 影の中に、まわりから跳ね返ってきた淡い光 | あごの下や腕の影の縁がほんのり明るい | 3番目 |

1番目は形の影で大きく分ける
まずは、光が当たらない側を大きく塗ります。
ここでは細かさは気にしなくて大丈夫です。顔なら「光側」と「影側」の2つに分かれていれば十分なんです。
『細かい影から描いたほうが上手く見えるんじゃ?』と思うかもしれません。
ただ、細かい影を先に描くと、全体の明るさのバランスが崩れやすいんですね。大きな面から決めると、立体感が先に出ます。
2番目は落ち影で密着感を出す
次に、物が重なっている場所に落ち影を入れます。
前髪の下のおでこ、あごの下の首、袖口から出た手首などが代表的な場所です。
落ち影は形の影より輪郭をはっきりさせ、少し濃いめにするのが目安です。こうすると、パーツ同士が触れ合っている感じが出ます。
3番目は反射光で影に空気を入れる
最後に、影の中の縁を少しだけ明るくします。
地面や服の色が跳ね返ってくる光なので、ほんのり明るくする程度で十分です。
- 光源の向きをキャンバスの外に描く
- 光が当たらない面を、形の影として大きく塗る
- 前髪の下やあごの下などに、落ち影を濃いめに入れる
- 影の縁の一部を、まわりの色で少し明るくして反射光にする
- 少し離れて全体を見て、影が多すぎないか確かめる
反射光を明るくしすぎると、影なのか光なのか分からなくなります。影の色より少し明るい程度にとどめておきましょう。
乗算レイヤーで塗るか、色を選んで塗るか
影の塗り方には、大きく2つの方法があります。
ひとつは影用のレイヤーを「乗算」にして重ねる方法、もうひとつは影の色をパーツごとに自分で選んで塗る方法です。
乗算レイヤーで塗る方法
乗算は、下の色に重ねると色が濃く暗くなる合成モードです。
塗りのレイヤーの上に影用のレイヤーを作り、乗算にしてクリッピングすれば、はみ出さずに影を重ねられます。
影の色は、薄い紫やグレーがかった青など1色にしておくのが目安です。不透明度を下げれば、影の濃さもあとから調整できますよ。
色を選んで塗る方法
こちらは、肌なら肌の影色、髪なら髪の影色と、パーツごとに影の色を決めて塗る方法です。
合成モードは通常のままで、パーツごとのレイヤーにクリッピングして塗ります。
手間はかかりますが、肌の影は少し赤みを、金属の影は青みをと、色の表情を細かく出せるのが魅力です。
- 影の色を1色決めれば、全体に塗れる
- 不透明度で濃さをあとから変えられる
- 光源を変えたい時も影のレイヤーだけ直せる
- 色がくすんで見えやすいので、色選びに工夫が要る
- パーツごとに影色を決める手間がかかる
- 肌は赤み、髪は青みなど色の表情を出せる
- 色が濁りにくく、鮮やかな仕上がりになりやすい
- 光源を変える時は塗り直しが増える

どちらを選べばいい?
迷ったら、最初は乗算レイヤーで始めてみてください。
光源を決めて影を置く練習に集中できるからです。慣れてきたら、肌や髪など目立つパーツから色を選んで塗る方法に切り替えていくと、無理なく上達できます。
| こんな時 | 合う方法 |
|---|---|
| 影の位置を練習したい | 乗算レイヤー |
| 光源をあとで変えるかもしれない | 乗算レイヤー |
| 色の鮮やかさを出したい | 色を選んで塗る |
| 肌の血色や髪のツヤを丁寧に見せたい | 色を選んで塗る |
| 両方の良さを使いたい | 乗算で影を置き、目立つ部分だけ色を選んで塗り直す |
影の色はどう選ぶ?肌・髪・服の目安
『影って、元の色を暗くすればいいんでしょ?』と思いますよね。
実は、黒やグレーを混ぜて暗くするだけだと、絵がくすんで見えやすいんです。
影の色は「少し暗く」「少し鮮やかに」「色味を少しずらす」の3つを意識すると、きれいにまとまります。
| パーツ | 影色の選び方の目安 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 肌 | 元の肌色より少し暗く、赤みかオレンジみを足す | 灰色寄りにすると顔色が悪く見える |
| 髪 | 元の色より暗く、青みか紫みを少し足す | 黒を混ぜると重たく見える |
| 白い服 | 薄い青紫やグレーがかった水色 | 真っ灰色だと汚れに見える |
| 黒い服 | 黒より少し明るい色に光を入れて形を出す | 影を足すより光で形を見せる |
| 金属 | 青みの濃い影と、強い光をはっきり分ける | 境目をぼかしすぎない |
髪の影は少し独特なので、デジタルイラストの髪の描き方で束ごとの影の入れ方を詳しく紹介しています。
影の境目は「くっきり」と「ぼかし」を使い分ける
影の色が決まったら、境目の処理も考えます。
髪の落ち影や服のしわなど、形がはっきりした場所はくっきり塗るのが目安です。一方で、頬や腕のように丸い面は、境目を少しだけぼかすと柔らかく見えます。
すべての影をぼかすと、輪郭がぼやけて全体が眠たく見えます。くっきり塗る場所とぼかす場所を決めておくと、絵が引き締まります。
影の段数を増やして厚みを出したくなったら、リアルなデジタルイラストの描き方も参考にしてみてください。
デジタルイラストの影でよくある相談
ここでは、Yahoo!知恵袋などでよく見かける相談を要約して、答えていきます。
肌や髪の影をどこに付ければいいか分からない
影の付け方が全然分からない、肌や髪の影をどこに入れればいいの?という相談は、とても多く見かけます。
『上手い人の絵を見ても、なぜそこに影があるのか分からない』という方も多いはずです。
ここまで紹介した通り、まずは光源を1つ決めて、形の影から大きく置いてみてください。
「影ってどこに入れるの?」
「光が来る方向の反対側から塗ってみて」
こんなやり取りがよくあるのは、それだけで答えの大半が出るからなんです。顔なら、前髪の下・あごの下・光と反対側の頬の3か所から始めると形になりやすいですよ。
パキッとした影の塗り方は何と呼ぶの?
色や影があまりぼかされていない、のっぺりとパキッとした塗りが好き、これは何塗り?という相談です。
こうした塗りは、一般に「アニメ塗り」と呼ばれることが多いです。影の境目をぼかさず、ベタ塗りの影を1〜2段重ねて仕上げます。
- ぼかしの無い、くっきりした線のブラシを選ぶ
- 下塗りのレイヤーにクリッピングして影のレイヤーを作る
- 影の境目をぼかさずに、形の影と落ち影を1段で塗る
- 必要なら、さらに濃い影を小さく1段だけ足す
はっきり影を入れなくても様になる髪の塗りは?
影をはっきり付けていないのに、髪がきれいに見える絵はどう塗っているの?という相談もあります。
こうした絵は、影を濃く入れる代わりに、色の変化で立体感を出していることが多いです。
例えば髪の根元を少し暗い色、毛先を少し明るい色にするグラデーションを薄く重ねると、影を描かなくても丸みが出ます。そこにツヤの光を少しだけ入れれば、それだけで様になりますよ。
自分の影が合っているか分からない時は
影は、自分では「合っているのか」が判断しにくいところです。
少し時間をおいて見直す、左右反転して見る、白黒にして明暗だけ確かめるなど、自分でできる確認はたくさんあります。
- 画面を左右反転して、違和感が無いか見る
- 白黒にして、光側と影側がはっきり分かれているか見る
- 光源と反対向きの影が混ざっていないか見る
- 影が多すぎて、全体が暗くなっていないか見る
それでも直す場所が分からない時は、人に見てもらうのがいちばんの近道です。
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影を入れた後の仕上げの流れは、デジタルイラストの描き方でラフから仕上げまでまとめています。人物の後ろに影を落とす背景の考え方は、デジタルイラストの背景の描き方も参考になりますよ。
よくある質問
デジタルイラストの影は、何色で塗ればいいですか?
乗算レイヤーで塗るなら、薄い紫やグレーがかった青など1色に決めると始めやすいです。色を選んで塗るなら、肌は赤み、髪は青みを少し足した暗めの色が目安です。黒やグレーだけで暗くすると、くすんで見えやすくなります。
影のレイヤーは何枚に分ければいいですか?
最初は影のレイヤー1枚でも十分です。慣れてきたら、形の影と落ち影、反射光を別のレイヤーに分けると、あとから直しやすくなります。
影をぼかすか、くっきり塗るか迷います。
髪の落ち影や服のしわのように形がはっきりした場所はくっきり、頬や腕のように丸い面は少しぼかす、と使い分けるのが目安です。全部をぼかすと、絵がぼやけて見えやすくなります。
逆光の影はどう塗ればいいですか?
体のほとんどを影側として塗り、輪郭の縁だけを明るく光らせます。影の部分は真っ暗にせず、反射光でうっすら形を残しておくと、表情や服の形が分かりやすくなります。
まとめ
- 影を塗る前に、光源の向きを1つだけ決めておく
- 影は形の影・落ち影・反射光の3種類に分け、この順番で置く
- 最初は乗算レイヤー、慣れたら目立つパーツから色を選んで塗る方法に広げる
- 影の色は黒を混ぜず、少し暗く・少し鮮やかに・色味をずらして選ぶ
- 迷ったら左右反転や白黒で見直し、それでも分からなければ人に見てもらう





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