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デジタルイラストで人を描こうとすると、腕の長さや体の向きがなんだかおかしい。動物はもっと難しくて、足の曲がり方が分からない。そんな悩み、ありますよね。
結論から言うと、人も動物も「丸・箱・筒」の3つの形の組み合わせで捉えると、ぐっと描きやすくなります。違うのは、関節の向きと形の比率だけなんです。
この記事を読むと、人物と動物に共通する形の取り方と、動物ならではの関節の違いが分かります。
人物も動物も、最初は「形」で捉える
いきなり輪郭線から描くと、形のずれに気づけません。先に丸・箱・筒でおおまかな形を置き、その上に線を描くのが近道です。
『上手な人は、いきなりきれいな線で描いているように見える』と思う方も多いはずです。
実は、慣れた人ほど、頭の中で形の組み合わせを考えてから描いています。最初から細かい線を追うと、全体のバランスが崩れやすいんです。
デジタルなら、形を置いたレイヤーを残したまま、上に新しいレイヤーで清書できます。ずれに気づいたら、形のレイヤーに戻って動かすだけで直せますよ。
デジタルイラストの基本の流れはデジタルイラストとは?アナログとの違いと始め方で紹介しています。
| 形 | 当てはまる場所(人) | 当てはまる場所(動物) |
|---|---|---|
| 丸 | 頭、肩や関節の位置 | 頭、胸、腰まわり |
| 箱 | 胸、骨盤 | 胴体、頭のマズル(口元) |
| 筒 | 首、腕、足 | 首、足、しっぽ |
丸・箱・筒で形を取る共通の手順
ここがこの記事の中心です。人でも動物でも、次の手順で形を置いていきます。
- 体の向きと動きを1本の線で描く
- 頭を丸で置く
- 胸と腰を箱で置き、向きを決める
- 首・腕・足を筒でつなぐ
- 関節の位置に小さな丸を置く
- 形の上に新しいレイヤーを作り、輪郭線を描く

動きの線を最初に描く
最初の1本は、背骨の流れを表す線です。立っている、走っている、振り向いているなど、ポーズの勢いはこの1本で決まります。
まっすぐな線より、少し曲がった線のほうが自然に見えます。人なら首から腰へ、動物なら頭からしっぽへとつなげてみてください。
例えば、走っている人なら前に倒れるように、伸びをしている猫なら背中を弓なりに描きます。この線がしっかりしていれば、あとで手足を足しても動きが消えません。
胸と腰は「箱」で向きを決める
胸と腰を丸で描くと、体がどちらを向いているのか分かりにくくなります。箱にすると、正面と側面の面が見えるので、向きがはっきりするんです。
胸の箱と腰の箱を、少しずらしたりねじったりするだけで、体をひねったポーズが作れます。
腕と足は「筒」でつなぐ
腕や足は、関節で曲がる筒が2本つながっていると考えます。筒の太さを、付け根は太く、先に向かって細くすると、自然な形になります。
筒が手前に向いている時は、筒の端を楕円で描くと、奥行きが出ますよ。
向きによって箱の見え方を変える
『正面は描けるのに、斜めになると急に描けない』という方も多いですよね。そんな時こそ、箱で考えるのが効くんです。
| 体の向き | 箱の見え方 | 気をつける所 |
|---|---|---|
| 正面 | 前の面だけが見える | 左右の肩と腰の高さをそろえる |
| 横向き | 横の面だけが見える | 胸の厚みと背中の丸みを出す |
| 斜め | 前と横の2つの面が見える | 奥の肩や腕を少し小さく描く |
| 見上げ・見下ろし | 下や上の面も見える | 手前の部分を大きめに描く |
箱の角に線を1本入れて、面の向きを描いておくと、そのあと服のしわや影を入れる時にも迷いません。
アタリやラフの描き方はデジタルイラストのラフ・アタリ・下絵の描き方で詳しく紹介しています。
- 動きの線が少し曲がっている
- 胸と腰の向きが箱で分かる
- 腕と足が付け根から先へ細くなっている
- 関節の位置に丸を置いている
動物ならではの関節の向きの違い
人の形が取れるようになると、動物も同じ手順で描けます。ただ、関節の向きにはっきりした違いがあるんです。
『動物の後ろ足って、ひざが逆に曲がってない?』と感じたことはありませんか。実はあれはひざではなく、人のかかとにあたる関節なんです。
| 体の部分 | 人の場合 | 犬や猫などの四本足の動物 | 描く時のコツ |
|---|---|---|---|
| 後ろ足の後ろ向きの関節 | かかと(地面についている) | 高い位置に浮いている | 人のつま先立ちを思い浮かべる |
| 後ろ足のひざ | 前に曲がる | 胴体の近く、毛に隠れやすい | 腰の箱の下に小さな丸を置く |
| 前足の曲がる関節 | 手首 | 前足の下のほう | 手首として描くと形が合う |
| 地面につく部分 | 足の裏全体 | 指の先のほう | 足先を小さめの丸にする |
| 首のつき方 | 胴体の上にまっすぐ | 胴体の前に斜めにつく | 筒を前に傾けて置く |

人の体に置き換えて考える
四本足の動物は、人が手と足のつま先だけで地面に立っている姿に近い、と考えると分かりやすいです。そうすると、後ろ足の後ろ向きの関節が、かかとにあたると分かります。
前足も同じで、地面の近くで曲がっている関節は手首です。ひじは胴体の近くにあります。
気になる時は、自分の腕を床について四つんばいの姿勢を思い浮かべてみてください。手のひらを浮かせて指先だけで支えると、動物の前足の形にかなり近くなるんです。
例えばこんな場面で描く
「雨の日の街角で傘をさす女の子」の足元に、小さな犬を描き足すとします。まず犬の背骨の線を、女の子を見上げるように頭側を少し上げて描きます。
胸の箱を高めに、腰の箱を低めにして、前足を筒で地面に下ろします。後ろ足は、腰の箱の下にひざの丸、その下にかかとの丸を浮かせて置くと、座りかけの自然な形になりますよ。
動物ごとの形の比率の違い
同じ丸・箱・筒でも、動物によって大きさの比率が変わります。ここをつかむと、何の動物かがひと目で伝わるようになりますよ。
| 動物 | 形の特徴 | 描く時のコツ |
|---|---|---|
| 犬 | 胸の箱が深く、マズルの箱が長め | 口元の箱の長さで犬種らしさが変わる |
| 猫 | 頭の丸が大きめで、胴体の筒が長い | 体をしなやかなカーブでつなぐ |
| うさぎ | 腰の丸が大きく、後ろ足が長い | 座った姿は大きな丸の上に頭の丸 |
| 鳥 | 胴体はたまご形の丸 | 足の見えている部分は、かかとから下 |
鳥の足も、実は四本足の動物と同じ考え方です。見えている「逆に曲がった関節」は、かかとにあたるんです。
動物の後ろ足を、人のひざと同じように前へ曲げて描くと、形が不自然になります。迷ったら、後ろ向きに曲がる関節はかかとだと思い出してください。
輪郭と塗りで、人らしさ・動物らしさを出す
形が取れたら、上に新しいレイヤーを作って輪郭を描きます。ここで、人と動物の質感の違いが出てきます。
人は「やわらかさと骨っぽさ」の差を出す
人の輪郭は、筋肉や脂肪のある所はなめらかなカーブ、ひじやひざなど骨が近い所は少し角のある線にします。全部を同じ丸さで描くより、メリハリが出ます。
手や指も、手のひらを箱、指を短い筒の連なりと考えると描きやすくなります。指の関節に小さな丸を置いてから曲げると、握った手も自然な形になりますよ。
髪は体とは別の形として考えます。頭の丸の外側に、ボリュームを持たせて描くのがコツです。髪の描き方はデジタルイラストの髪の描き方で詳しく紹介しています。
動物は「毛の流れ」で形を見せる
動物は、毛の流れに沿って輪郭を描くと、それらしく見えます。輪郭を1本の線で囲むより、毛先を少しギザギザにすると、ふわっとした質感が出るんです。
塗りでは、筒や箱の形を意識して影を入れると、立体感が出ます。体の丸みに沿って影を置けば、毛があっても形が崩れません。
| 描く対象 | 輪郭の線 | 影の入れ方の目安 |
|---|---|---|
| 人の肌 | なめらか、関節は少し角を出す | 箱の側面と筒の下側に |
| 人の服 | しわの線を関節の近くに集める | しわの谷に細く |
| 短い毛の動物 | 輪郭に小さなギザギザ | 胴体の下側にやわらかく |
| 長い毛の動物 | 毛の束を流れで描く | 束と束の間に |
リアルな質感を目指したい時は、リアルなデジタルイラストの描き方も参考にしてみてください。
よくある相談:人や動物を描く時の悩みへの答え
知恵袋でも、人や動物を描く時の相談はたくさんあります。よくある相談を要約して答えますね。
動物キャラクターは、何回も描けば上手になる?
描く回数はもちろん大事です。ただ、なんとなく同じ描き方を繰り返すだけだと、同じ所でつまずきやすいんです。
おすすめは、1回描くごとに「今回は後ろ足の関節」「今回は首のつき方」と、1か所だけ意識することです。形の手順で描いて、どこがずれたかを確かめると、回数がそのまま上達につながります。
例えば、同じ猫を「座る・歩く・寝転ぶ」の3つのポーズで描いてみてください。ポーズが変わっても、頭の丸と胴体の大きさがそろっていれば、同じ猫に見えるはずです。
人物のレイヤーは、どう分ければいい?
服や髪の中まで細かく分けるべきか迷う、という相談も多いです。結論から言うと、最初は「線画・肌・髪・服・影」くらいに分ければ十分です。
細かく分けすぎると、どのレイヤーに描いたか分からなくなります。塗る色の数が増えてきたら、必要な所だけ分けていきましょう。順番は、下から肌、服、髪と重ね、その上に線画を置く形が扱いやすいですよ。
線画の強弱がうまく付けられない
線画の強弱は、筆圧で太さが変わるブラシを使うと付けやすくなります。体の外側の輪郭を太く、内側の線を細くするのが基本です。
形を丸・箱・筒で取っていると、「影になる側の線を太く、光が当たる側を細く」といった判断もしやすくなります。
- 練習は、1回ごとに意識する場所を1か所に決める
- レイヤーは最初は5つ前後で十分
- 線の強弱は、外側を太く内側を細く
人や動物を描けるようになったら
形の取り方が身につくと、描けるポーズや動物の種類が一気に広がります。人と動物を一緒に描く絵にも挑戦しやすくなりますよ。
『もっと上手くなりたいけど、自分の絵のどこがずれているのか分からない』という時期も来るはずです。そんな時は、人に見てもらうと、形のずれに早く気づけます。
人物や動物のキャラクターは、アイコンやペットの似顔絵として頼まれることもあります。形が安定していると、同じキャラを何枚も描く依頼にも応えやすくなります。描いた絵を副業や仕事につなげたい方もいるかもしれません。
- 同じポーズを、人と動物の両方で描いてみる
- 正面だけでなく、横向きと斜めも描く
- 描いた絵を並べて、ずれやすい場所をメモする
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よくある質問
デジタルイラストで人を描く時、写真を見ながら描いてもいいですか?
練習として見ながら描くのは良い方法です。ポーズや形の確認に使い、他人の写真や作品をそのままなぞって公開するのは避けましょう。
動物はどの種類から練習するのがいいですか?
身近で形が分かりやすい犬や猫から始めるのがおすすめです。同じ丸・箱・筒の手順で、ほかの動物にも広げられます。
人物の体のバランスが毎回違ってしまいます。
頭の大きさを基準にして、体の長さを頭いくつ分か決めておくと安定します。形を置いたレイヤーを残しておき、清書前に左右反転して確かめてみてください。
デジタルイラストで動物を描く時、毛はどこまで描き込めばいいですか?
まずは輪郭と、毛の流れが変わる所だけで十分です。顔のまわりや胸など、目が行く所に毛の束を足し、ほかはあっさりさせるとまとまります。
形を取るレイヤーは、最後に消したほうがいいですか?
非表示にして残しておくのがおすすめです。あとでポーズを直したくなった時に、また使えます。
まとめ
- 人も動物も「丸・箱・筒」の組み合わせで捉える
- 動きの線、頭の丸、胸と腰の箱、手足の筒の順に置く
- 四本足の動物の後ろ向きに曲がる関節は、人のかかとにあたる
- 人は骨っぽさのメリハリ、動物は毛の流れで質感を出す
- 練習は1回ごとに意識する場所を1か所に決める





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