当サイトの記事は編集部がソフトやスクールの公式サイトなどの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内にイラスト講座への案内(広告)を含みます。
『ふんわりした水彩っぽい絵を描きたいのに、デジタルだとベタッとした塗りになる…』という方は多いですよね。
結論から言うと、水彩風のデジタルイラストは、本物の水彩の「にじみ・重ね・紙の白」の3つを、デジタルの機能に置き換えて考えると描きやすくなります。
この記事を読めば、どの機能で水彩らしさを出すのかと、透明感のある塗りの手順が分かります。
水彩風のデジタルイラストは何が違う?
水彩風に見える絵は、色が薄く透けて重なっていて、色の縁がにじみ、ところどころ紙の白が残っています。この3つがそろうと、デジタルでも水彩らしく見えます。
アニメ塗りのように、色をくっきり塗り分けると、どうしてもデジタルらしい印象になります。
水彩風は、その反対です。色の境目があいまいで、下の色が透けて見えるのが特徴なんです。
デジタルの水彩風なら、絵具や水の準備も片付けもいりません。にじみに失敗しても取り消せるので、何度でも気軽に試せるのがうれしいところです!
本物の水彩の3つの性質
本物の水彩絵具には、ほかの画材には無い性質があります。
| 水彩の性質 | どんなことか | 絵の印象 |
|---|---|---|
| にじみ | 水を含んだ紙に色を置くと、色がふわっと広がる | やわらかい・空気感がある |
| 重ね塗り | 乾いた色の上に塗ると、下の色が透けて濃くなる | 透明感・奥行き |
| 紙の白 | 白い絵具ではなく、塗らずに残した紙の白で光を表す | 明るい・軽やか |
紙の上で水と絵具が勝手に動くので、思いがけない表情が出るのも水彩の魅力ですよね。
デジタルでは水は動きませんが、ブラシとレイヤーの使い方で、この3つの性質にかなり近づけられます。アナログの水彩とデジタルの違いはアナログとデジタルイラストの違いでも紹介しています。
水彩の性質を、デジタルのどの機能で再現する?
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
『水彩ブラシを使えば、それだけで水彩風になるんじゃないの?』と思うかもしれません。
実は、ブラシだけでは水彩らしさの半分ほどしか出ないんです。レイヤーの合成モードや紙の質感も組み合わせると、ぐっと本物に近づきます。
| 本物の水彩の性質 | デジタルで使う機能 | 使い方の目安 |
|---|---|---|
| にじみ | にじみ・水彩系のブラシ、ぼかしツール | 色の縁だけをぼかし、中はムラを残す |
| 重ね塗りの透明感 | 乗算レイヤー、不透明度 | 薄い色を乗算で2〜3回重ねる |
| 色の縁の濃いたまり | 縁が濃くなる水彩ブラシ、細い線で縁をなぞる | 塗った形の外側だけ少し濃くする |
| 紙の白 | 塗らずに残す、消しゴムで抜く | ハイライトは白で塗らず、塗り残しで作る |
| 紙のざらざら | 紙のテクスチャのレイヤー | いちばん上に重ねて、不透明度を下げる |
| 線のやわらかさ | 線画の色を黒以外にする | 茶色や濃い紫など、塗りに近い色にする |

にじみはブラシで、縁はぼかしで
にじみを出すには、にじみや水彩の名前がついたブラシを使うのが手軽です。
多くのお絵描きアプリには、水彩系のブラシが最初から入っています。思った質感にならない時は、ぼかしツールで色の縁だけを軽くなでてみてください。
ブラシの選び方やペンの設定は、デジタルイラストのブラシの選び方で詳しく紹介しています。
重ね塗りは乗算レイヤーで
水彩の透明感は、薄い色を重ねることで生まれます。
デジタルでは、乗算レイヤーを使うと、下の色が透けたまま濃くなる重ね方ができます。1回で濃く塗らず、薄い色を何回かに分けて重ねるのがコツです。
紙の質感はテクスチャを重ねる
最後に、紙のざらざらした質感のテクスチャを、いちばん上のレイヤーに重ねます。
不透明度を低めにして、うっすら見える程度にとどめるのが目安です。これだけで、画面の中の絵が紙に描かれたように見えてきます。
紙のテクスチャ素材を使う時は、素材ごとの利用規約で使える範囲を確かめておきましょう。アプリに最初から入っている質感の機能を使うのも手軽な方法です。
水彩風に塗る手順
ここからは、実際に水彩風のデジタルイラストを塗る流れを見ていきます。
例えば「花かごを抱えて春の野原に立つ女の子」を描くとしましょう。
- 線画の色を黒から、茶色や濃い紫などやわらかい色に変える
- 背景に、薄い黄色や水色を大きくぼかして下塗りする
- 肌・髪・服を、それぞれ薄い色で1回目の塗りをする
- 乗算レイヤーで、影になる部分に同じ系統の色を重ねる
- 色の縁だけをぼかして、にじみを作る
- ハイライトは白で塗らず、消しゴムで抜いて紙の白にする
- いちばん上に紙のテクスチャを重ね、不透明度を下げる
線画は細く、色をつける
線画が太くて黒いと、水彩のやわらかさが消えてしまいます。
線は細めに引いて、色を肌の近くは赤茶、髪の近くは髪色を濃くした色にすると、塗りとなじみます。線画を描かずに、塗りだけで形を作る方法もありますよ。
塗り残しを怖がらない
デジタルだと、つい隅々まできれいに塗りつぶしたくなりますよね。
ただ、水彩風ではあえて塗らない場所を残すことが大切です。髪のツヤや頬の光、服の明るい部分は塗り残すと、紙の白が光に見えて明るい絵になります。
色を何度も重ねすぎると、透明感が消えて濁った色になります。重ねるのは2〜3回までを目安にして、それ以上濃くしたい時は元の色を少し濃くしてから重ねましょう。
肌・髪・服で塗り方を少し変える
同じ水彩風でも、パーツによって合う塗り方は少しずつ違います。
全部を同じ調子で塗ると、のっぺりした印象になりやすいんです。パーツごとの目安を表にしておきますね。
| パーツ | 1回目の塗り | 重ねる色の目安 | にじみの強さ |
|---|---|---|---|
| 肌 | ごく薄い肌色を広めに | 頬と影に薄いピンクやオレンジ | 強め。境目をやわらかく |
| 髪 | 髪色を薄く、毛先は明るく | 根元と束の間に少し濃い同系色 | ふつう。束の形は残す |
| 服 | 服の色を薄く、全体に | しわのくぼみに同系色を重ねる | 弱め。しわは少しくっきり |
| 小物・花 | 元の色をやや濃いめに | 中心だけ濃く重ねる | 強め。色を混ぜ合わせてもよい |
例えば頬の赤みは、肌の上に薄いピンクを丸く置いて、縁を大きくぼかすだけでぐっと水彩らしくなります。
服のしわは、全部をにじませずに少しだけ輪郭を残すと、形がぼやけずに済みますよ。
背景も水彩風にそろえる
人物だけ水彩風で、背景がくっきりした塗りだと、ちぐはぐに見えます。
背景も同じブラシで、遠くの景色ほど薄く、ぼかして塗ると統一感が出ます。背景の奥行きの出し方はデジタルイラストの背景の描き方で紹介しています。
水彩っぽく見えない時のチェック
『手順どおりに塗ったのに、なぜか水彩っぽくならない…』という時もありますよね。
そんな時は、どこがデジタルらしく見えているのかを1つずつ確かめてみましょう。
- 線画が黒く太くなっていないか
- 色の境目がくっきり塗り分けられていないか
- ハイライトを白い色で塗っていないか
- 色を重ねすぎて濁っていないか
- 紙の質感が入っていないか
- 色の数が多すぎて、まとまりが無くなっていないか
水彩風とアニメ塗りの違い
水彩風が上手くいかない時は、アニメ塗りとの違いを並べてみると分かりやすいです。
- 色の境目をにじませる
- 薄い色を重ねて濃くする
- 光は塗り残しで作る
- 線画は細く、色をつける
- 色の境目をくっきり分ける
- 影は一度でベタに塗る
- 光は明るい色で塗る
- 線画ははっきりした色で描く
どちらが良い悪いではなく、目指す雰囲気の違いです。可愛らしくやわらかい雰囲気の絵にしたい時は、可愛い・おしゃれなデジタルイラストを描くコツも合わせてどうぞ。

水彩風のデジタルイラストでよくある相談
ここでは、Yahoo!知恵袋などでよく見かける相談を要約して、答えていきます。
水彩っぽい質感は、何のペンで描いているの?
水彩っぽい感じの絵や水彩みたいな質感は、どんなペンで描いているの?という相談は、とても多く見かけます。
結論から言うと、ペン1本で決まるというより、水彩系のブラシに、乗算での重ね塗りと紙の質感を組み合わせていることが多いです。
「どのブラシを使えばいいの?」
「まずはアプリに入っている水彩ブラシで、薄く重ねてみて」
こんなやり取りもよくありますよね。最初から特別なブラシを探すより、手持ちの水彩ブラシで重ね方を試すほうが早く上達します。
デジタルで水彩画のような絵を描きたい
タブレットのアプリで描かれた水彩タッチの絵を見て、自分も描いてみたい、という相談もあります。
水彩タッチの絵は、どのアプリでも、ここまで紹介した手順で近づけられます。
まずは1色の濃淡だけで、小さな花や果物を描いてみてください。色数を絞ると、にじみと重ね塗りの感覚がつかみやすいです。
透明感のある絵に合うブラシを探している
最近よく見る透明感のあるイラストを描きたくて、合うブラシを探している、という相談もあります。
透明感は、ブラシの種類よりも「薄い色を重ねること」と「光の部分を塗り残すこと」で出ている場合が多いです。
『良いブラシさえ見つかれば…』と思う気持ちも分かります。ただ、新しいブラシを何本も集めるより、手持ちの水彩ブラシ1本で、不透明度を下げて重ねる練習をするほうが近道です。
アナログの水彩の経験は、デジタルに活きる?
アナログで水彩画を描いた経験があると、デジタルで活かせることは多いの?という相談です。
活かせることは多いです。どこを塗り残すか、どの順番で色を重ねるかといった考え方は、デジタルの水彩風でもそのまま使えます。
反対に、アナログの水彩をやったことが無くても大丈夫です。デジタルなら取り消しが使えるので、にじみや重ね塗りを何度でも試せますよ。
塗りを人に見てもらいたい時は
水彩風の塗りは、自分では「どこが惜しいのか」が分かりにくいところです。
独学で楽しく描けているなら、そのペースで続けてみてください。添削を受けながら学びたい、働きながら絵を副業にしたいなら、そうした講座の内容を一度見ておくと判断しやすくなります。
例えば illust worker(イラストワーカー)は、社会人が働きながらイラストを副業にすることを目指すオンライン講座です。イラストの添削やZoomでの指導があると案内されています。料金や面談の内容は、公式サイトで確認してみてください。
illust worker(PR)
働きながら、描いた絵を副業にしたいなら
illust workerは、社会人がイラストを副業として仕事にすることを目指すオンライン講座です。週1回の課題とZoomでの添削に加えて、ココナラでの出品の仕方やLive2Dのモデリングまで教えると案内しています。
無料illust workerの公式サイトを見る料金や面談の内容は公式サイトでご確認ください。
デジタルイラストの基本から知りたい方は、デジタルイラストとは?もどうぞ。
よくある質問
水彩風のデジタルイラストは、スマホでも描けますか?
描けます。水彩系のブラシと乗算レイヤーが使えるアプリなら、スマホでも同じ手順で塗れます。画面が小さい分、拡大して縁のにじみを確かめながら進めるのがコツです。
水彩風にするには、線画は無いほうがいいですか?
どちらでも描けます。線画を残すなら、細めの線で、黒ではなく茶色や濃い紫などやわらかい色にすると水彩となじみます。線画を描かず、塗りだけで形を作る方法もあります。
水彩風の絵で、色が濁ってしまいます。
色を何度も重ねすぎていることが多いです。重ねるのは2〜3回までを目安にし、反対の色同士を重ねないようにしましょう。濁った部分は取り消すか、レイヤーごと塗り直すと早いです。
水彩風の絵に向いている題材はありますか?
花や果物、空や野原の風景、やわらかい雰囲気の人物などが描きやすいです。色の境目がにじんでも形が分かる題材から始めると、水彩らしさを出しやすくなります。機械や建物のようにくっきりした形のものは、少し慣れてからがおすすめです。
紙の質感は、必要ですか?
無くても描けますが、うっすら重ねるだけで水彩らしさがぐっと増します。不透明度を低めにして、目立ちすぎない程度にとどめるのが目安です。
まとめ
- 水彩風に見えるかは、にじみ・重ね塗り・紙の白の3つで決まる
- にじみはブラシとぼかし、重ね塗りは乗算レイヤー、紙の白は塗り残しで再現する
- 線画は細く、黒以外のやわらかい色にする
- 色を重ねるのは2〜3回まで。重ねすぎると濁る
- 仕上げに紙のテクスチャをうっすら重ねると、ぐっと水彩らしくなる





コメント