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『アニメっぽい塗りはできるけど、もう少しリアルな雰囲気の絵を描いてみたい』という方は多いですよね。
結論から言うと、リアルなデジタルイラストは、アニメ塗りを「影の段数・色の混ぜ方・輪郭線」の3点から少しずつ変えていくと近づけます。
この記事を読めば、自分の今の塗りからどこを変えればいいかと、厚塗りで立体感を出す手順が分かります。
リアルなデジタルイラストは、アニメ塗りと何が違う?
リアル寄りの絵は、影が何段階にもなめらかに変わり、色が混ざり合い、輪郭線がほとんど目立ちません。この3点を一度に変えず、1つずつ変えていくのが近道です。
『リアルな絵って、才能がある人しか描けないんじゃ…』と思うかもしれません。
実は、リアルに見える絵にも、はっきりした仕組みがあるんです。アニメ塗りとの違いを3つに絞って比べてみましょう。
| 比べる点 | アニメ塗り | リアル寄りの塗り |
|---|---|---|
| 影の段数 | 1〜2段で、境目がくっきり | 何段階もあり、明るい所から暗い所へなめらかに変わる |
| 色の混ぜ方 | パーツごとに色を分けて、混ぜない | 隣り合う色やまわりの色が混ざり合う |
| 輪郭線 | 線画ではっきり形を描く | 線は塗りに埋もれ、明暗の差で形が見える |

リアルに見える絵の正体は「光の変化」
リアルな絵が立体的に見えるのは、光が当たる場所から影になる場所まで、明るさが少しずつ変わっているからです。
例えば球に光が当たると、いちばん明るい点から、明るい面、暗くなり始める境目、影、そして影の中の反射光へと、段階を追って変わっていきます。
アニメ塗りでは、この変化を2段くらいにまとめて描いています。リアル寄りの塗りは、その途中の段階を省かずに描いているんですね。
厚塗りとはどんな塗り方?
リアルなデジタルイラストでよく使われるのが、厚塗りという塗り方です。
色の上に色を何度も塗り重ね、線画ではなく塗りで形を作っていくのが特徴です。油絵のように色を置いていく塗り方、とイメージすると分かりやすいですよ。
厚塗りは、レイヤーをあまり分けずに少ない枚数で塗り重ねることが多い塗り方です。レイヤーを細かく分けるアニメ塗りとは、作業の感覚もかなり変わります。
アニメ塗りから、段階的にリアルに寄せる手順
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
いきなり完全なリアルを目指すと、どこから手をつけていいか分からなくなりますよね。そこで、今の塗りから1段ずつリアルに寄せていく手順を表にしました。
| 段階 | 変えること | 見た目の変化 |
|---|---|---|
| 1段目 | 影を2段から3〜4段に増やす | 丸みが出て、平たさが減る |
| 2段目 | 影の境目の一部をぼかす | 肌や布がやわらかく見える |
| 3段目 | 影や光にまわりの色を混ぜる | 絵全体に空気感とまとまりが出る |
| 4段目 | 輪郭線の色を塗りに近づけ、一部を消す | 線ではなく明暗で形が見えてくる |
| 5段目 | 線画を描かず、塗りだけで形を作る | 厚塗りらしい、リアルな仕上がり |
『いきなり5段目までやらないとダメ?』と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
1段目や2段目だけでも、絵の印象はかなり変わります。「アニメ塗りより少しだけリアル」という、ちょうどいい塗りを自分で選べるのが、この方法の良いところです。
1段目と2段目は、影の付け方を変える
まずは影の段数を増やして、境目を整えるところからです。
影の付け方の基本はデジタルイラストの影の付け方で詳しく紹介しています。光源を1つ決めてから影を置く考え方は、リアル寄りの塗りでもそのまま使えます。
- 光源の向きを決めて、いつもの影を1段塗る
- その影より少し暗い色で、さらに奥まった場所に2段目を塗る
- 光が当たる面と影の境目に、中間の色を1段足す
- 境目のうち、丸みのある所だけを軽くぼかす
- いちばん明るい所に、小さく光を入れる
3段目は、まわりの色を混ぜる
リアルな絵に近づけるには、色の混ぜ方がとても大事です。
例えば「夕焼けの窓辺で本を読む女の子」なら、顔の影には部屋の暗い色、光の側には夕焼けのオレンジが混ざって見えます。
こうした色を少しずつ足すと、人物がその場所に本当にいるような空気感が出ます。
4段目と5段目は、線を減らす
最後は、輪郭線との付き合い方を変えます。
まずは線画の色を黒から、近くの塗りの色を濃くした色に変えてみましょう。慣れてきたら、光が強く当たる側の線を消して、塗りの明暗だけで形が分かるようにしていきます。
厚塗りで立体感を出す塗り方
ここからは、厚塗りで1枚を仕上げる流れを見ていきます。
リアルなデジタルイラストは、細かい所から描き込むのではなく、大きな明暗から小さな描き込みへと進めるのが基本です。
- ラフの上に、背景と人物の大まかな色を大きく置く
- 光源を決めて、明るい面と暗い面の2つに大きく分ける
- 中間の明るさの色を足して、形の丸みを作る
- スポイトで隣の色を拾い、境目に置いて色をなじませる
- 目や手など、見てほしい場所だけを細かく描き込む
- 最後に、いちばん明るい光と、いちばん暗い影を小さく入れる

スポイトで色を拾ってなじませる
厚塗りでよく使うのが、スポイトで色を拾う方法です。
明るい色と暗い色の境目でスポイトを使うと、その中間の色が拾えます。それを境目に置くことを繰り返すと、色がなめらかにつながっていきます。
レイヤーは最初3枚くらいから
『厚塗りはレイヤー1枚で描くって聞いたけど、失敗したら怖い…』という方もいますよね。
最初は、背景・人物・描き込み用の3枚くらいに分けておくと安心です。大きな明暗を人物のレイヤーで塗り、細かい描き込みは上のレイヤーで試してから統合すれば、やり直しもしやすくなります。
レイヤーや合成モードの基本は、デジタルイラストとは?で紹介しています。
ブラシは少なめで十分
『リアルに描くには、特別なブラシがたくさん要るんじゃ?』と思う方も多いはずです。
実は、厚塗りに使うブラシは2〜3本でも十分なんです。色を置く少し硬めのブラシと、色をなじませるやわらかいブラシがあれば描けます。
| ブラシの役割 | どんなブラシか | 使う場面 |
|---|---|---|
| 色を置く | 筆圧で濃さが変わる、少し硬めのブラシ | 大きな明暗を置く、形を作る |
| なじませる | 境目をぼかす、やわらかいブラシ | 肌の丸み、布のやわらかさ |
| 質感を出す | かすれや粒が出るブラシ | 髪の毛先、服の生地、背景 |
ブラシの選び方とペンの設定はデジタルイラストのブラシの選び方で詳しく紹介しています。
ぼかしを使いすぎると、全体がぼやけて眠たい絵になります。リアルな絵ほど、くっきりした境目とぼかした境目の両方があります。服のしわや髪の束など、形がはっきりした所は境目を残しておきましょう。
リアルに見えない時のチェック
手順どおりに塗ったのに、なんとなくリアルに見えない、ということもありますよね。
そんな時は、塗りの技術よりも、形や明暗のほうに原因があることが多いです。
- 画面を白黒にして、明るい所と暗い所の差がはっきりあるか
- 光源と反対の向きの影が混ざっていないか
- 全部の境目をぼかしていないか
- 影を黒やグレーだけで塗っていないか
- 顔や体の形そのものがずれていないか
形が合っていないと、塗りではごまかせない
リアル寄りの塗りは、形のずれがアニメ塗りより目立ちやすい塗り方です。
顔のパーツの位置や体のバランスが少しずれていると、どれだけ丁寧に塗ってもリアルには見えにくいんです。人物や動物の形の捉え方は、デジタルイラストで人物・動物を描くコツで紹介しています。
自分で撮った写真で光を観察する
光の変化をつかむには、身の回りのものを観察するのがいちばんです。
机の上のりんごやマグカップを、窓の光の横に置いてスマホで撮ってみてください。明るい所から影までの色の変わり方や、影の中の反射光がよく分かります。
撮った写真の横に同じりんごを描いてみて、明るさの段階を写真と見比べるのもおすすめです。どこが足りないかが、自分の目ではっきり分かりますよ。
人の作品をそのまま写して公開するのは、著作権の問題になるので避けましょう。自分で撮った写真を観察の材料にすると安心です。
リアルなデジタルイラストでよくある相談
ここでは、Yahoo!知恵袋などでよく見かける相談を要約して、答えていきます。
アニメの絵柄のまま、リアル感を出したい
アナログでは見たまま描いていたけど、アニメのような絵柄でリアル感のある描き方がしたい、という相談です。
結論から言うと、絵柄はアニメ寄りのまま、塗りだけをリアルに寄せる方法が向いています。
「顔はアニメっぽいままがいいんだけど」
「それなら線はそのまま、影の段数と色の混ぜ方だけ変えてみて」
こんなやり取り、よくありますよね。先ほどの手順の1段目から3段目までを試すと、絵柄を変えずにリアル感だけ足せます。
上手くなるには、鉛筆で人体を描いたほうがいい?
デジタルで上手くなるには、鉛筆で人体の構図などを描く練習をしたほうがいいの?という相談もあります。
紙でもデジタルでも、形をとる練習は役に立ちます。リアルな絵ほど形のずれが目立つので、人体の形をとる練習は特に効果的です。
道具はどちらでも構いません。続けやすいほうで、短い時間でも毎日描くことのほうが大切です。
セミリアル系の絵を添削してもらえる場所はある?
アニメ系ではなく、セミリアル系の絵で添削のアドバイスをもらえる場所はないか、という相談も見かけます。
リアル寄りの絵は、形・明暗・色のどこがずれているかを自分で見つけにくいので、人に見てもらうと伸びやすいジャンルです。作品を投稿して感想をもらえる場所の選び方は、デジタルイラストの練習・投稿に役立つサイトの選び方で紹介しています。
独学で楽しく描けているなら、そのペースで大丈夫です。添削を受けながら学びたい、働きながら絵を副業にしたいなら、そうした講座の内容を一度見ておくと判断しやすくなります。
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1枚の絵をラフから仕上げるまでの流れは、デジタルイラストの描き方でまとめています。
よくある質問
リアルなデジタルイラストは、初心者でも描けますか?
描けます。いきなり完全なリアルを目指さず、影の段数を増やす、境目の一部をぼかすなど、1段ずつ寄せていくと無理なく近づけます。最初は球や果物のような単純な形で練習すると分かりやすいです。
厚塗りは、レイヤーを分けないほうがいいですか?
厚塗りでは少ない枚数で塗り重ねることが多いですが、決まりではありません。最初は人物と背景を分けておき、慣れてきたら枚数を減らすと安心です。
リアルな絵の影は、何色で塗ればいいですか?
黒やグレーだけで塗らず、元の色を暗くしたうえで、まわりの色を少し混ぜるのが目安です。肌なら赤み、夕方の場面ならオレンジなど、その場の光に合う色を足すとリアルに見えます。
リアルな絵を描くと、時間がかかりすぎてしまいます。
全部を同じ細かさで描き込んでいることが多いです。顔や手など見てほしい場所だけを細かく描き、ほかは大きな明暗だけで残すと、時間を抑えながらリアルに見せられます。
スマホでもリアルなデジタルイラストは描けますか?
描けます。筆圧に対応したペンがあると、色の濃さを調整しやすくなります。画面が小さい分、拡大と縮小を繰り返して、全体の明暗を確かめながら進めましょう。
まとめ
- リアル寄りの塗りとアニメ塗りの違いは、影の段数・色の混ぜ方・輪郭線の3点
- 影を増やす、境目をぼかす、色を混ぜる、線を減らす、の順に1段ずつ寄せる
- 厚塗りは大きな明暗から始めて、見てほしい場所だけを細かく描き込む
- ブラシは色を置く・なじませる・質感を出すの2〜3本で十分
- リアルに見えない時は、白黒で明暗を確かめ、形のずれも見直す





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