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髪を描こうとすると、線がごちゃごちゃして、ただの線の集まりに見えてしまう。そんな悩みはありませんか。
結論から言うと、デジタルイラストの髪は「大きな塊、束、毛先」の3段階で考えると、線も塗りもすっきりまとまります。
この記事を読むと、髪を束で描く手順と、光の向きに合わせて影とツヤを置く場所が分かります。
デジタルイラストの髪がまとまらないのはなぜ?
髪の毛を1本ずつ描こうとすると、まとまりがなくなります。髪は「頭を包む大きな塊」として先に形を作り、そこから束に分けていくのが近道です。
『髪の毛って、たくさん線を引けばリアルになるんでしょ?』と思う方も多いはずです。
実は逆で、線を増やすほど髪はばらばらに見えます。上手に見える髪の絵ほど、線の数はそれほど多くありません。
大事なのは、髪が頭の丸みに沿って生えていることを意識することです。頭の形を無視して髪を描くと、ぺたんと平らに見えてしまいます。
レイヤーなどデジタルの基本はデジタルイラストとは?で紹介しています。
- 髪は頭の丸みより少し外側にふくらんでいる
- 髪には生え際とつむじがあり、そこから流れが始まる
- 髪は重さで下に垂れ、毛先に向かって細くなる
髪は「大きな塊、束、毛先」の3段階で描く
ここがこの記事の中心です。いきなり細かい毛先から描かず、大きいものから小さいものへ順番に描いていきます。
| 段階 | 描くもの | 考えること | よくある失敗 |
|---|---|---|---|
| 1. 大きな塊 | 頭全体を包む髪のシルエット | 頭の丸みより少し外にふくらませる | 頭にぴったり沿わせて、ぺたんこになる |
| 2. 束 | 前髪、横の髪、後ろ髪をいくつかの束に分ける | 束の大きさに大小の差をつける | 同じ太さの束が並び、くし状になる |
| 3. 毛先 | 束の先を細く分ける | 毛先の向きをそろえすぎない | 毛先を全部同じ形にしてしまう |

1. 大きな塊でシルエットを決める
まずは、頭の丸を描いて、その外側に髪全体のシルエットをざっくり描きます。この段階では、細かい束や毛先は描きません。
髪の量が多いキャラクターなら大きくふくらませ、さらっとした髪ならやや小さめにします。シルエットが決まると、髪型の印象はほぼ決まります。
シルエットを描いたら、一度塗りつぶして影絵のように見てみるのもおすすめです。形だけで髪型が伝わるなら、その塊はうまくいっています。
ラフや下絵の段階で形を決めておくと、あとの線画が楽になります。描き方の全体の流れはデジタルイラストの描き方で紹介しています。
2. 束に分ける
次に、大きな塊をいくつかの束に分けます。前髪、横の髪、後ろ髪と、場所ごとに分けて考えると分かりやすいです。
束の大きさは、大きい束と小さい束を混ぜるのがコツです。同じ太さの束が並ぶと、くしのような規則正しい見た目になってしまいます。
3. 毛先を整える
最後に、束の先を細く分けて毛先を作ります。毛先は、すべて同じ方向を向けるより、少しずつ向きを変えると自然です。
『毛先がどうしてもギザギザになる』という時は、細かく分けすぎていることが多いです。束1つに対して、毛先は2〜3本に分けるくらいが目安です。
- 頭の丸と、髪全体のシルエットをラフで描く
- つむじと生え際から、髪の流れの向きを決める
- 大小の束に分けて、束の輪郭を描く
- 束の先を細く分けて、毛先を作る
- 束の内側に、流れを表す短い線を少しだけ足す
髪型によって束の分け方は変わる?
髪型が変わっても、塊、束、毛先の順番は同じです。変わるのは、束の大きさと流れの向きです。
| 髪型 | 束の分け方の目安 | 意識すること |
|---|---|---|
| ショート | 小さめの束を、頭の丸みに沿って多めに | 襟足と耳まわりの短い毛先 |
| ボブ | 大きめの束を、あごのラインに向かってまとめる | 毛先が内側に入るカーブ |
| ロング | 長い束を、肩や背中で曲げる | 重さで下に垂れる流れ |
| ポニーテール | 頭の部分と結んだ束を分けて考える | 結び目に向かって集まる流れ |
髪型を決める時は、頭の形と首・肩の位置も一緒に考えておくと、髪が浮きません。人物の形のとらえ方はデジタルイラストで人物・動物を描くコツで紹介しています。
線画で髪の流れを描きすぎない
束の内側に入れる流れの線は、ほんの少しで十分です。線画で流れを描きこみすぎると、塗りで影を入れた時にごちゃごちゃします。
流れの細かい表現は、線ではなく塗りの影とツヤで見せると、すっきりした髪になります。
影とツヤを置く場所は光の向きで決める
線画ができたら、いよいよ塗りです。髪の塗りで一番迷うのが、影とツヤの位置ですよね。
光の来る方向を先に決めると、影とツヤの位置が自然に決まります。光が当たる側にツヤ、反対側と束の重なりに影を置きます。
| 光の向き | ツヤを置く場所 | 影を置く場所 |
|---|---|---|
| 真上から | 頭のてっぺんの丸み、輪のように | 後ろ髪の下側、前髪の下 |
| 左上から | 頭の左上の丸み | 右側の髪と、束が重なる所 |
| 右上から | 頭の右上の丸み | 左側の髪と、束が重なる所 |
| 後ろから(逆光) | 髪のふちに細く明るい線 | 顔側の髪の大部分 |
| 下から | 前髪や横の髪の下側に弱く | 頭の上のほう |

影は束の重なりに置く
影は、光の反対側に加えて、束と束が重なる所に入れます。上の束が下の束に影を落としている、と考えると位置が決めやすいです。
前髪の下にある額や、横の髪の下にある首にも影が落ちます。髪の影が肌に落ちると、髪が顔から浮いて見えて立体感が出ます。
影の色の選び方や、レイヤーの使い方はデジタルイラストの影の付け方で詳しく紹介しています。
ツヤは頭の丸みに沿って置く
ツヤは、頭の丸みに沿ってぐるりと帯のように置くのが基本です。光が当たる側を太く、反対側に向かって細くしていきます。
ツヤを束ごとに切って、少しずつずらすと、束の立体感が出ます。1本の帯をまっすぐ置くより、自然に見えますよ。
- 光の向きと、ツヤの位置が合っているか
- 束が重なる所に影が入っているか
- 前髪の影が額に落ちているか
- ツヤが束をまたいで、まっすぐな帯になっていないか
髪を塗る時のレイヤーの分け方
髪の塗りは、レイヤーを分けておくと、あとから何度でも直せます。
『レイヤーが増えると、どれがどれだか分からなくなる』という方も多いですよね。そんな時は、レイヤーに「髪 影」「髪 ツヤ」のように名前を付けて、髪のレイヤーを1つのフォルダにまとめておくと迷いません。
| レイヤー | 塗るもの | 設定の目安 |
|---|---|---|
| 下塗り | 髪全体の基本の色 | 通常 |
| 影 | 光の反対側と束の重なり | 下塗りにクリッピング、乗算 |
| 濃い影 | 束の根元など一番暗い所 | 影の上にクリッピング |
| ツヤ | 光が当たる側の帯 | 通常、またはスクリーン |
| 肌への影 | 額や首に落ちる髪の影 | 肌のレイヤーにクリッピング、乗算 |
影は乗算で重ねると、下の色を生かしたまま暗くできます。灰色で塗るとにごりやすいので、髪の色に少し青や紫を混ぜた色を使うと、きれいな影になります。
塗る順番は、下塗り、影、濃い影、ツヤの順が目安です。暗い色から明るい色へ進むと、ツヤの位置をあとから決めやすくなります。
線画の色を髪になじませる
線画が黒のままだと、明るい髪の色の中で線だけが浮いて見えることがあります。
線画のレイヤーの上に新しいレイヤーをクリッピングして、髪の部分だけ線の色をこげ茶や髪の濃い色に変えてみてください。それだけで、髪がやわらかく見えるようになります。
例えばこんな場面で考える
「雨の日の街角で傘をさす女の子」の髪を塗るとします。傘の下なので、上からの光は傘にさえぎられています。
この場合、頭のてっぺんのツヤは弱くして、髪全体を少し暗めにします。傘のふちから入る光が当たる横の髪や毛先だけに、細いツヤを入れると、雨の日の雰囲気が出ます。
髪の毛の細かい質感を出すには
髪の毛1本1本の細かい質感を出したい、という時は、塗りが終わってから最後に足します。
細いブラシで、ツヤの近くや毛先に、流れに沿った短い線を少しだけ入れます。暗い所には影より少し暗い色、明るい所にはツヤより少し明るい色を使うと、なじみやすいです。
ここでも、入れすぎは禁物です。「ちょっと足りないかな」と思うくらいで止めておくと、全体がうるさくなりません。
目と髪の色を合わせる
髪の色が決まったら、目の色も合わせて考えてみてください。髪と目を同じ系統の色にすると、キャラクター全体にまとまりが出ます。
目の塗り方はデジタルイラストの目の描き方で詳しく紹介しています。
ツヤを白で強く入れすぎると、髪がプラスチックのように見えることも。ツヤの色は白ではなく、髪の色を明るくした色にして、不透明度を少し下げてみてください。
よくある相談:髪の塗りで迷った時の答え
デジタルイラストの髪について、よく寄せられる相談をまとめました。
髪の塗り方が分からない
デジタルを始めたばかりで、髪をどう塗ればいいか分からない、という相談はとても多いです。
結論から言うと、まずは「下塗り、影、ツヤ」の3色だけで塗ってみてください。光の向きを1つ決めて、表のとおりに影とツヤを置けば、それだけで髪らしく見えます。
慣れてきたら、濃い影や肌への影を足して、少しずつ段階を増やしていきます。
はっきり影をつけなくても様になる塗り方は?
くっきりした影を入れなくても、やわらかくまとまって見える髪の塗り方を知りたい、という相談もあります。
この場合は、ふちのやわらかいブラシで、影を広い範囲にふんわり重ねる方法が向いています。影とツヤの境目をぼかすと、全体がなめらかにつながって見えます。
ただ、全部をぼかすと髪の形がぼんやりします。束の重なりなど、一部だけはくっきりした影を残すと引きしまります。
髪のハイライトが不自然に見える
髪のハイライトがどうしても浮いて見える、という相談です。
よくある原因は、ハイライトが頭の丸みに沿っていないことです。まっすぐな線で入れると、平らな板に光が当たったように見えます。
頭の丸みに沿ってカーブさせ、束ごとに少しずつずらして置いてみてください。ハイライトの色を髪の色に寄せるだけでも、なじみ方が変わります。
同じ髪型を、光の向きだけ変えて何枚か塗ってみてください。真上、左上、逆光と変えるうちに、影とツヤの位置の考え方が自然と身につきます。
ここまで試しても『自分の髪のどこが不自然なのか分からない』と感じることもありますよね。
自分では気づきにくい癖は、人に見てもらうと早く分かります。添削を受けながら学びたい、働きながら絵を副業にしたいなら、そうした講座の内容を一度見ておくと判断しやすいですよ。
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よくある質問
デジタルイラストの髪は、何色で塗ればいいですか?
まずは下塗り、影、ツヤの3色で十分です。影は髪の色に青や紫を少し混ぜた色、ツヤは髪の色を明るくした色にすると、まとまりやすくなります。
髪の線画はどこまで描き込めばいいですか?
束の輪郭と毛先が描けていれば十分です。束の内側の流れの線は少しだけにして、細かい表現は塗りの影とツヤにまかせると、すっきり見えます。
前髪がうまく描けません。
前髪も、まず全体を1つの塊として形を決めてから、大小の束に分けてみてください。生え際の位置と、額の丸みに沿ってカーブさせることを意識すると自然になります。
線画で髪の流れを描いてから塗るべきですか?
束の輪郭は線画で描き、内側の流れは塗りの影で表すのがおすすめです。線画で流れを描きこみすぎると、影を入れた時にごちゃごちゃしやすくなります。
長い髪を描く時のコツはありますか?
長い髪は、重さで下に垂れる流れを先に決めておきます。肩や背中に当たって曲がる所を意識し、毛先に向かって束を細くしていくと自然に見えます。
まとめ
- デジタルイラストの髪は、大きな塊、束、毛先の3段階で描く
- 束の大きさに大小の差をつけ、毛先の向きはそろえすぎない
- 光の向きを先に決めて、ツヤは頭の丸みに沿って、影は束の重なりに置く
- 下塗り、影、ツヤのレイヤーを分けて、あとから直せるようにする





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