デジタルイラストの目の描き方|塗りとハイライトの手順

液晶タブレットでキャラクターの目にハイライトを入れる手元を表したアイキャッチ

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キャラクターの目を塗ってみたけれど、なんだかのっぺりして見える。そんな悩みはありませんか。

結論から言うと、デジタルイラストの目は5つのレイヤーに分けて塗ると、ぐっと描きやすくなります。分けるのは「まつ毛・白目・虹彩・瞳孔・ハイライト」です。

この記事を読むと、目を5層で塗る手順と、キラッと見せるハイライトの置き方が分かります。

目次

デジタルイラストの目はなぜ難しく感じる?

先に結論

目は小さな範囲に、線・形・色・光がぎゅっと詰まったパーツです。1枚のレイヤーで全部を描こうとすると、直すたびに他の部分まで崩れてしまいます。

『目だけ何回描き直しても、しっくりこない』という方も多いはずです。

目はキャラクターの印象を決める場所なので、少しのずれでも気になりますよね。そのうえ、まつ毛の線、白目の影、瞳の色、光と、描く要素がたくさんあります。

デジタルの良いところは、この要素をレイヤーで分けられることです。分けておけば、瞳の色だけを変えたり、ハイライトだけを動かしたりできます。

レイヤーの基本はデジタルイラストとは?で紹介しています。

目を作っている要素
  • まつ毛と目の輪郭の線
  • 白目(目の中の白い部分)
  • 虹彩(瞳の色がついた部分)
  • 瞳孔(瞳の中心の暗い部分)
  • ハイライト(光が反射した白い点)

目を5つのレイヤーに分けて塗る手順

ここがこの記事の中心です。目の要素ごとにレイヤーを分けて、下から順に重ねていきます。

順番レイヤー塗るもの合成モード・設定の目安
1白目白目の形と、上まぶたの下の影通常。影は白目の上にクリッピング
2虹彩瞳の基本の色、上側の暗い色、下側の明るい色通常。白目からはみ出さないようクリッピング
3瞳孔瞳の中心の暗い色通常または乗算
4まつ毛目の輪郭とまつ毛の線通常。一番上近くに置く
5ハイライト光の反射の白い点通常、または加算・スクリーン
目を白目・虹彩・瞳孔・まつ毛・ハイライトの5つのレイヤーに分けて重ねる順番を示した図解

まつ毛を上のほうに置くのは、瞳の色がまつ毛にかぶらないようにするためです。ハイライトは一番上に置いて、どの色の上にも光が乗るようにします。

1. 白目は真っ白にしない

白目は、真っ白ではなく、ほんの少しだけ色をつけた白にすると自然になじみます。肌の色や周りの色に少し寄せると、浮いて見えません。

上まぶたの下には、うすい影を入れます。まぶたが目に影を落としているので、ここに影があると立体感が出ます。

2. 虹彩は上を暗く、下を明るく

瞳の色は、1色でべったり塗ると平らに見えます。上側を暗く、下側を明るくするのが基本の形です。

上側が暗いのは、まぶたとまつ毛の影になるからです。下側は、光が瞳の中で反射して明るく見える、と考えると覚えやすいですよ。

3. 瞳孔は中心に小さく

瞳孔は、瞳の中心に暗い色で入れます。虹彩の暗い色よりさらに暗くすると、目に深さが出ます。

かわいらしい雰囲気にしたい時は大きめに、クールな印象にしたい時は小さめにすると、表情が変わります。

瞳孔のまわりに、虹彩より少し明るい色の細い線を放射状に入れる描き方もあります。瞳に模様が入って、のぞき込んだような奥行きが出ますよ。

4. まつ毛は線画の強弱で決まる

まつ毛と目の輪郭は、上まぶたの線を一番太く、目の下の線は細く短くします。目尻と目頭で線を細く抜くと、目の形がやわらかくなります。

線の強弱の付け方はデジタルイラストの線画を綺麗に描くコツで詳しく紹介しています。

5. ハイライトは最後に置く

ハイライトは、全部の色を塗り終わってから最後に置きます。先に置くと、色を塗り重ねるうちに位置がずれたり隠れたりするからです。

ハイライトのレイヤーを分けておけば、あとから大きさや位置を何度でも試せます。「もう少し上かな」と動かしながら、一番目が生き生きして見える場所を探してみてください。

例えばこんな場面で考える

「雨の日の街角で傘をさす女の子」の目を塗るとします。雨の日なので、光は弱く、全体が少し青みがかっています。

この場合は、白目にもうすい青を混ぜ、虹彩の上側の暗い色も青みに寄せます。ハイライトは小さめにして、反対側に街の明かりの小さな点を入れると、雨の日の空気が目にも出ます。

晴れた日の場面なら、ハイライトを大きめにして、虹彩の下側を明るくはっきりさせます。同じ5層でも、場面に合わせて色と光を変えるだけで、目の雰囲気が変わるんです。

5つのレイヤーで目を塗る流れ
  1. 白目のレイヤーに、白目の形を塗る
  2. 白目の上にクリッピングして、まぶたの影を入れる
  3. 虹彩のレイヤーに基本の色を塗り、上を暗く下を明るくする
  4. 瞳孔を中心に入れる
  5. まつ毛と目の輪郭の線を整える
  6. 一番上のレイヤーにハイライトを置く

キラッとした目に見せるハイライトの置き方

ハイライトは、目に命が入るところです。ここで印象がぐっと変わります。

『ハイライトって、どこに置けばいいの?』と迷いますよね。目安は「光の来る向き」に合わせることです。

ハイライトの基本

左上から光が当たっているなら、両目とも瞳の左上にハイライトを置きます。左右の目で光の位置がそろっていると、自然に見えます。

ハイライトの種類置く場所形の目安
メインの光光の来る側の瞳の上のほう少し大きめの丸や楕円
サブの光メインの反対側の下のほう小さめの点
下側の明るさ虹彩の下側ふちのやわらかい明るい色
白目の光白目の端など小さな点をそっと
光の向きに合わせて、メインの光とサブの光を瞳に置く位置を示した図解

置きすぎに気をつける

ハイライトをたくさん置くほどキラキラするかというと、そうでもありません。置きすぎると、どこが光っているのか分からなくなります。

特に、小さな点を瞳のあちこちに散らすと、目がにぎやかになりすぎて表情が読み取りにくくなります。光は「ここが一番明るい」という場所を決めてから置くのがコツです。

まずはメインの光1つとサブの光1つから始めてみてください。物足りなければ、小さな点を1つずつ足していきます。

よくある失敗

左右の目でハイライトの位置がばらばらだと、視線がずれて見えます。最後に両目を並べて、光の位置がそろっているかを確かめましょう。

合成モードで光を強くする

ハイライトのレイヤーを加算やスクリーンにすると、下の色を明るくしながら光らせることができます。白で置くより、色になじんだ光になります。

虹彩の下側の明るい部分も、別のレイヤーにして合成モードを変えると、透き通ったような目になりますよ。

表情に合わせて目の形を変える

目は、表情によって形が大きく変わります。同じ塗り方でも、形を変えるだけで気持ちが伝わるようになります。

表情目の形の変え方塗りの工夫
笑顔下まぶたを持ち上げ、目を細くする虹彩の見える範囲が減るので、ハイライトは小さめ
驚き目を大きく開き、瞳を小さめにする白目の見える範囲が広がる
怒り上まぶたを下げ、目頭側を少し下げる上側の影を濃くする
悲しみ目尻側を下げるハイライトを下側に置くと、うるんで見える

違和感がある時の目の見直しチェック

塗り終わったのに、何かおかしい。そんな時は、次のチェックで見直してみましょう。

目の見直しチェック
  • 左右の目の高さと大きさがそろっているか
  • 両目の黒目が同じ方向を向いているか
  • 左右のハイライトの位置がそろっているか
  • 上まぶたの線が、下の線より太くなっているか
  • 白目が真っ白で、顔から浮いていないか

左右反転で見ると違和感が分かる

描いている時は気づかなかったずれも、キャンバスを左右反転すると一目で分かることがあります。

「あれ、右目だけ少し上にある」と気づいたら、目のレイヤーを選んで位置を直します。レイヤーを分けておけば、目だけを動かせるので楽です。

目の形と顔のバランス

目は顔の中の位置も大事です。目の高さは、頭のてっぺんからあごまでのおよそ真ん中あたりが目安と言われることが多いです。

横向き・斜めの目はどう描く?

正面の目に慣れたら、斜めや横向きの目にも挑戦してみましょう。

斜めを向いた顔では、奥の目は手前の目より少し細く、小さくなります。横向きでは、目は横から見た三角に近い形になり、瞳も細長く見えます。

『斜めの顔だと目の大きさがそろわない』と感じたら、顔の中心線を引いてから目を置いてみてください。中心線から目までの距離で、奥と手前の差を決めやすくなります。

デフォルメしたかわいい絵柄では、目を大きく、少し下の位置に描くこともあります。かわいく見せる工夫は可愛い・おしゃれなデジタルイラストを描くコツで紹介しています。

前髪と目が重なる時は?

前髪が目にかかる絵では、目と髪のどちらを前に出すかで見え方が変わります。

髪のレイヤーを目より上に置くと、自然に前髪が目を隠します。目をはっきり見せたい時は、髪の線だけを少し透けさせる描き方もあります。

前髪の描き方はデジタルイラストの髪の描き方で詳しく紹介しています。

よくある相談:目の塗りで迷った時の答え

デジタルイラストの目や塗りについて、よく寄せられる相談をまとめました。

乗算レイヤーで影を塗ると色がにごる

乗算レイヤーで影を塗ると、思ったより暗くにごってしまう、という相談はとても多いです。

乗算は、下の色に重ねた色をかけ合わせて暗くするモードです。灰色や黒っぽい色で塗ると、にごりやすくなります。

目のまぶたの影なら、うすい紫や青みのある色を乗算で重ねてみてください。不透明度を下げて少しずつ重ねると、透明感を残したまま影が入ります。

影の色の選び方はデジタルイラストの影の付け方でも詳しく紹介しています。

描いた絵に違和感があるけれど、どこか分からない

何度修正しても違和感が消えない、という相談もあります。

こういう時は、左右反転とキャンバスの縮小を試してみてください。小さく表示して全体を見ると、目の大きさや位置のずれに気づきやすくなります。

アナログでは描けたのにデジタルでうまくいかない

紙では描けていたのに、デジタルだと思うように線が引けない、という相談です。

目は細かいパーツなので、拡大して描きたくなりますよね。ただ、拡大しすぎると線がカクカクしやすくなります。まつ毛の線は少し縮小した表示で、一度で引いてみてください。

練習のしかた

同じ目を、レイヤーを分けて何回か塗ってみてください。毎回、瞳の色だけを変えて塗ると、塗り方の手順が手に入りやすくなります。

それでも『自分の目の描き方のどこが変なのか分からない』と感じることもありますよね。

自分では気づきにくい癖は、人に見てもらうと早く分かります。添削を受けながら学びたい、働きながら絵を副業にしたいなら、そうした講座の内容を一度見ておくと判断しやすいですよ。

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よくある質問

デジタルイラストの目は何枚のレイヤーで塗ればいいですか?

まつ毛、白目、虹彩、瞳孔、ハイライトの5枚に分けるのが目安です。慣れてきたら、虹彩の明るい部分や影を別のレイヤーにして、さらに細かく分けてもかまいません。

目のハイライトは何色にすればいいですか?

白が基本ですが、瞳の色に少し寄せた明るい色にすると、なじみやすくなります。加算やスクリーンのレイヤーで置くと、下の色を生かしながら光らせられます。

デジタルイラストで目を塗ると、のっぺり見えるのはなぜですか?

虹彩を1色で塗っていることが多いです。上側を暗く、下側を明るくして、瞳孔とハイライトを入れると立体感が出ます。

目の色はどう選べばいいですか?

髪の色や服の色と合わせると、まとまりが出ます。同じ色の中で、上側に暗い色、下側に明るい色を作っておくと塗りやすいです。

目の描き方を練習する時は、何から始めればいいですか?

まずは正面の目を、5つのレイヤーで塗る手順だけを繰り返してみてください。手順が身についたら、横向きや斜めの目に広げていきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • デジタルイラストの目は、まつ毛・白目・虹彩・瞳孔・ハイライトの5層に分けて塗る
  • 白目は真っ白にせず、上まぶたの下にうすい影を入れる
  • 虹彩は上を暗く下を明るく、瞳孔は中心に暗く入れる
  • ハイライトは光の向きに合わせて最後に置き、左右でそろえる
デジタルイラストガイド

デジタルイラストガイド 編集部

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