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デジタルイラストのラフを描いてみたけれど、アタリや下絵とどう違うのか、どこまで描けばいいのか分からない。そんな方は多いですよね。
結論から言うと、アタリ・ラフ・下絵は「何を決める段階か」で分けると、迷わずに線画まで進めます。
この記事では、3つの段階それぞれで決めることと、レイヤーの不透明度・線の色・ブラシの太さの目安を表で紹介します。
アタリ・ラフ・下絵は「何を決める段階か」で分ける
アタリは「配置とポーズ」、ラフは「だいたいの形と雰囲気」、下絵は「線画でなぞる線」を決める段階です。
決めることがはっきりしていれば、描き込みすぎも描き足りなさも防げます。
『アタリもラフも下絵も、全部同じ下書きじゃないの?』と思うかもしれません。
実は、3つとも下書きの一種ですが、それぞれ決めることが違うんです。

| 段階 | 決めること | 描くもの | まだ決めなくていいこと |
|---|---|---|---|
| アタリ | 配置・ポーズ・顔の向き | 丸・四角・線 | 髪型、服、表情 |
| ラフ | だいたいの形・雰囲気・構図 | 髪や服のおおまかな形 | 線のきれいさ、細かいしわ |
| 下絵 | 線画でなぞる線 | 1本に決めた線 | 色、影 |
デジタルイラストの工程全体の中では、アタリとラフと下絵は最初の部分にあたります。
ラフのあとの工程はデジタルイラストの描き方で紹介しています。
段階を分けると何がいいの?
段階を分けておくと、失敗した時に戻る場所が分かります。
例えば線画にしてから顔の向きがおかしいと気づいたら、アタリのレイヤーに戻って直せばいいわけです。
1枚のレイヤーに全部描いてしまうと、どこが間違っているのか見つけにくくなります。
レイヤーを段階ごとに分けておくのは、デジタルならではの強みなんです。
アナログでは、下書きを消しゴムで消してから清書するので、元の下書きは残りません。
デジタルなら、アタリもラフも非表示にして残しておけるので、あとから何度でも見比べられます。
段階ごとの不透明度・線の色・ブラシの太さの目安
段階が進むほど、ブラシは細く、線は1本に近づけていきます。
前の段階のレイヤーは不透明度を下げて、薄く見える状態で次を描きます。
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
段階ごとの設定の目安を、表にまとめてみました。
| 段階 | レイヤーの不透明度(次を描く時) | 線の色の例 | ブラシの太さ | ブラシの種類 |
|---|---|---|---|---|
| アタリ | 20%前後まで下げる | 赤や水色など薄い色 | 太め | 鉛筆系・エアブラシ |
| ラフ | 20〜30%ほどに下げる | 青や紫など黒以外 | 中くらい | 鉛筆系 |
| 下絵 | 30〜40%ほどに下げる | 黒以外の濃い色 | 線画より少し太め | 鉛筆系・ペン系 |
| 線画 | 100% | 黒や濃い茶色 | 細め | ペン系 |

数値はあくまで目安なので、画面で見やすい濃さに調整してみてください。
大事なのは、前の段階の線と今描いている線が、ひと目で見分けられることです。
線の色を段階ごとに変える理由
アタリを赤、ラフを青、のように色を変えておくと、どの線がどの段階か迷いません。
線画を黒で描く時に、下の線と混ざって見えにくくなることも防げます。
レイヤーの色を変える機能があるアプリなら、それを使っても大丈夫です。
レイヤー名も「アタリ」「ラフ」「下絵」としておくと、あとで探しやすくなります。
- アタリ用のレイヤーを作り、薄い色で丸と線を描く
- アタリの不透明度を下げ、ラフ用のレイヤーを作って形を描く
- ラフの不透明度を下げ、下絵用のレイヤーを作って線を1本に決める
- 下絵の不透明度を下げ、線画用のレイヤーで清書する
- 線画ができたら、アタリ・ラフ・下絵は非表示にする
デジタルイラストのアタリとラフの描き方
アタリは丸と線だけで、30秒で描けるくらいの簡単さで大丈夫です。
ラフは、何枚か描き比べてから1枚を選ぶと、構図の失敗が減ります。
『アタリって、どこまで描けばいいの?』と迷う方も多いですよね。
アタリの役目は、顔と体がどこにあって、どちらを向いているかが分かることだけです。
アタリは丸と線で描く
頭は丸、首から腰までは1本の線、肩と腰は横線で描きます。
顔には縦と横の十字線を入れると、顔の向きが決まります。
例えば、振り返っている女の子を描くなら、顔の十字線を少し横にずらします。
肩の線と腰の線の角度を変えると、体のひねりも表せます。
人物の形のとらえ方はデジタルイラストで人物・動物を描くコツでも紹介しています。
アタリは線で描く?シルエットで描く?
アタリの描き方は、大きく分けて2通りあります。
丸と線で骨組みのように描く方法と、体の形を塗りつぶしたシルエットで描く方法です。
| アタリの描き方 | 向いている絵 | 描き方のコツ |
|---|---|---|
| 丸と線で描く | 立ちポーズ、顔の向きが大事な絵 | 頭・首・肩・腰の位置を先に決める |
| シルエットで描く | 動きのあるポーズ、全身の絵 | 太めのブラシで体の形を塗る |
シルエットで描くと、ポーズが見た目で伝わるかどうかがすぐ分かります。
どちらが正しいということはないので、描きたい絵に合わせて試してみてください。
ラフは小さく何枚か描いてみる
ラフは、いきなり大きく1枚を描き込むより、小さく何枚か描いてみるのがおすすめです。
キャンバスの隅に小さく3枚ほど描いて、いちばん良いものを選ぶだけで、構図がぐっと良くなります。
選んだラフは、選択範囲で囲んで拡大すれば、そのまま本番のサイズにできます。
拡大や縮小、移動が自由にできるのも、デジタルのラフの便利なところです。
- 顔・体・小物の位置が画面の中に収まっている
- 顔の向きと体の向きが分かる
- 左右反転で見て、大きなゆがみがない
- 描きたい雰囲気が、ラフの段階で伝わる
例えば「傘をさして振り返る女の子」なら
アタリでは、頭の丸、体の線、傘の柄の線の3つだけを描きます。
顔の十字線を体と逆の方向に向けると、振り返っている感じが出ます。
ラフでは、髪のなびく向きや傘の形、スカートのすそを大まかに描きます。
雨の日らしさを出したいなら、傘をやや前に傾けると雰囲気が伝わりやすくなります。
下絵では、前髪の束の数や傘の骨の線など、線画でなぞる線を1本ずつ決めます。
ここまで決まっていれば、線画はなぞるだけで済みます。
下絵で線画の準備をする
下絵は「線画でどの線をなぞるか」を1本に決める段階です。
ここで迷いを済ませておくと、線画はなぞるだけになります。
ラフの線は、何本も重なっていて当たり前です。
ただ、そのまま線画に入ると、どの線を選べばいいか迷ってしまうんですよね。
下絵では線を1本に決める
ラフの不透明度を下げて、その上に下絵用のレイヤーを作ります。
ラフの重なった線の中から、使いたい線を1本ずつ選んで描き直していきます。
髪の毛の流れや服のしわなど、線画で描きたいものはここで全部描いておきます。
逆に、色で表すものや影は、下絵では描かなくて大丈夫です。
下絵を描く時は、ラフより少しだけ拡大して描くと、細かい線を決めやすくなります。
ただし、ときどき全体表示に戻して、ラフで決めたバランスが崩れていないかを確かめてみてください。
下絵をきれいに描き込みすぎて、線画と同じくらい時間がかかってしまう。
下絵は「どの線を使うか分かればOK」くらいで次へ進みましょう。
下絵を省いて、ラフからそのまま線画に入る描き方もあります。
慣れてきたら、自分に合う方を選んでみてください。
ラフから線画にすると下手に見える時は
『ラフでは上手くいったと思ったのに、線画だけにしたら下手に見える』ということもありますよね。
これは、ラフの線が重なっていたおかげで、形のずれが目立たなかったせいかもしれません。
| 下手に見える原因 | 直し方 |
|---|---|
| ラフの線の重なりで形がごまかされていた | 下絵で線を1本に決めてから線画にする |
| 拡大して描いて全体のバランスが崩れた | 全体表示と左右反転で確かめる |
| 線画の線が細すぎて弱く見える | 輪郭だけ少し太めのブラシで描く |
線画をきれいに引くコツはデジタルイラストの線画を綺麗に描くコツで紹介しています。
デジタルイラストのラフで「よくある相談」に答えます
ラフの相談で多いのは「ラフは1枚のレイヤーに描くのか」「デジタルだと下手になる」「ラフで色を塗る意味」の3つです。
Q&Aサイトで多く読まれている相談の中から、ラフやアタリに関わるものを3つ選んで答えていきます。
ラフは1枚のレイヤーに描くもの?
レイヤーの使い方が分からず、ラフを1枚のレイヤーに描いていいのか迷う、という相談がよく読まれています。
答えは、ラフ自体は1枚のレイヤーに描いて大丈夫です。
ただ、アタリ・ラフ・下絵はそれぞれ別のレイヤーにしておきましょう。
ラフの中で直したい所が出てきたら、レイヤーを足して上から描き直すと、元のラフも残せます。
デジタルイラストになると、急に下手になる
紙では描けるのに、デジタルになると途端に下手になる、という相談はとても多く読まれていました。
長く絵を描いてきた人ほど、この差に戸惑うことがあるようです。
よくあるのは、拡大したまま描いていて、全体のバランスが見えていないケースです。
アタリとラフの段階では、拡大せずに全体を見ながら描いてみてください。
ペンと画面の感触が紙と違うことも理由の1つです。
アナログの感覚に近づけたいなら、紙に描いたラフを取り込んで線画からデジタルにする方法もあります。
ラフの時に色を塗るのは何のため?
メイキングを見ると、ラフの段階で色を塗ったり、グレーで濃淡をつけたりしてから線画に入る人がいます。
これは、色や明るさのバランスを先に決めておくためです。
線画を描いてから色を決めると、思った雰囲気にならずに塗り直すことがあります。
ラフで色の配置を決めておけば、線画のあとで迷う時間が減ります。
| ラフの描き方 | 決められること | 向いている人 |
|---|---|---|
| 線だけのラフ | 形と構図 | 線画を中心に描く人 |
| グレーで濃淡をつけたラフ | 明るさのバランス | 影や光で見せたい人 |
| 色をつけたラフ | 色の組み合わせと雰囲気 | 塗りで見せたい人、厚塗りをしたい人 |
ラフの段階で人に見てもらうと直しやすい
直すなら、ラフの段階がいちばん手間がかかりません。
線画や塗りまで進んでから直すより、ラフで人に見てもらうほうが効率的です。
『自分のラフのどこがおかしいのか分からない』という時は、人の目を借りるのがいちばん早いです。
ラフの段階で「頭が少し大きい」「体のひねりが足りない」と言ってもらえれば、すぐに直せますよね。
例えばこんなふうに言ってもらえると、次の1枚で試すことがはっきりします。
「肩の線と腰の線が平行なので、腰を少し傾けると動きが出ますよ」
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よくある質問
デジタルイラストのアタリは毎回描いたほうがいいですか?
人物やポーズのある絵なら、描いておくのがおすすめです。顔のアップなど簡単な絵なら、ラフから始めてもかまいません。
下絵とラフは両方必要ですか?
慣れないうちは両方描くと、線画で迷いにくくなります。慣れてきたら、ラフから直接線画に入ってもかまいません。
ラフの線はどのくらい雑でもいいですか?
形と配置が自分で分かれば、線がいくら重なっていても大丈夫です。きれいに描くのは下絵と線画の役目です。
ラフのレイヤーは最後に消したほうがいいですか?
非表示にして残しておくのがおすすめです。あとで形を見直したい時に、表示して比べられます。
デジタルイラストの下絵は、紙に描いたものを使ってもいいですか?
使えます。スキャナーやスマホで取り込み、明るさとコントラストを整えてから、その上のレイヤーで線画を描きます。
まとめ
- アタリは配置とポーズ、ラフは形と雰囲気、下絵は線画でなぞる線を決める
- 段階ごとにレイヤーを分け、前の段階は不透明度を下げて薄くする
- 線の色を段階ごとに変えると、どの線か迷わない
- ラフは小さく何枚か描いて選ぶと、構図の失敗が減る
- 直すならラフの段階がいちばん手間がかからない





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